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俺はまだ酔ってるんだろう。まさか木下が居るわけがない。
目を閉じた時、彩の腕が離れ唇も離れていく。
その時、もう一度木下がいた方をみたが、誰もいない。
やっぱり幻覚だ……。
幻覚を見るなんて、
「心さんありがとう」
そう彩に言われ、思考を遮る。そして有馬たちの所へ戻る事にした。
幻覚を見たと思っていたのに、あの場所に木下が居たことを知るのは、まだ先の話し。
彩のしてきたキスも、わざとだと言うことを知らなかった。
彩は俺の気持ちに気づいていた。
そんな事俺は何も気付かなかった。
「あれ??」
駐車場につくと有馬たちの姿がない。
「あれ? 有馬は?」
彩も知らないらしく、すぐに俺は有馬に電話をかけた。
「あっもしもし有馬 、お前どこにいるんだ?」
「えっ! 先輩たちまだ帰らないとおもって、先に帰ってますよ」
まじかよ……。
「もう帰ったのか……」
「はいっ」
「わかった」
仕方なく、俺は彩を送って帰る事になった。 車はそのまま放置して、タクシーを拾った。
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