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「そうですか?」
木下の笑顔は少しひきつっている。
「えらいえらい」
そう俺は首を縦にふる。
「ねぇ心さんなに飲む?」
彩は突然俺の腕をつかんできた。木下はそれをみている。
どうして彩はこんな時に引っ付いてくるのか、でも木下がこれをみて俺を嫌いになってくれたら良いのにと思った。
「あっ俺コーヒー」
「わかった」
コーヒーをとりにいった彩を見届け、木下に話しかける。
「木下は毎日バイトしてるのか?」
「いえ2日出たら休みとか、3日でたら休みとかバラバラです」
目をみて話さない。目をあわさないようにしているんだ。
「そっか」
すると彩が戻ってきて、
「はぁいコーヒー」
レジにコーヒーと自分の飲み物を置いた。木下はレジに通し、
「250円になります」
と淡々と言う。俺が財布をだして払おうとすると、
「あっこれは私が払う。記念って事でおごり」
そう満面の笑みを彩に向けられた。振られた記念とかなんだか虚しい。でもまぁいいかと、俺は彩に払わせた。
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