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でも、よく考えてみると、今の会話は誤解を招く。
(まぁいいかぁ)
誤解して木下が俺を嫌いになってくれるのなら、それもありだと思った。
俺も木下の事は忘れよう。
そしてコンビニをでる、肩を並べて……まるで恋人のように。
残酷だろうか、木下の気持ちを踏みにじるような事をして。
どこまでも最低な男だ。
それから彩を家におくり、自分も家についた。風呂に入りすぐにベッドにダイブ。
そして俺はまた考えてしまう。木下のことを……。
忘れようとしても忘れられない。
俺の心の中には、完全に木下が住み着いていた。笑顔が忘れられない。可愛い顔がわすれられない。そしていつの間にか、俺は眠っていた。
それからは、何事もなく毎日が過ぎていった。
――3学期が今日から始まる。俺は支度をして学校に向かった。
あれから木下を忘れようと思うたびに、逆に愛しくなってたまらい毎日を送っていた。
今日から平日は木下と顔をあわす。そう思うと、絶対に忘れられないような気がしてならない。
俺は自クラスのHRに星野先生と向かった。
「席について~」
星野先生のあとにつづいて教室に入る。やはり木下が気になってしまう。
木下は窓の外を眺めている、何度かその様子を観察してしまった。
星野先生がぱっぱとHRを済ませて、始業式のため生徒を体育館に向かわせた。
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