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俺も体育館へと向かう。体育館入口に木下と工藤、安藤が歩いてくるのが見えた。
安藤を見た瞬間に特別授業の事を思い出し、安藤を呼び止める。
木下の事ばかりを考えていたら、特別授業の事をすっかり忘れていた。木下と工藤は安藤を残し中へと入っていく、なんだか木下に避けられているように感じるのは、きっと気のせいではないだろう。
一通り安藤に特別授業の説明をして、俺は体育館の中へ入った。
それから、次の日も次の日も、何日たっても木下は俺に話しかけてもこない。そして俺との間に距離をとっている……確実に彼女は避けていた。
そんなある日。俺はいつものように眠る準備をしていた。すると携帯がなる。
相手は有馬だ。
「もしもしっ!? 先輩!!」
と有馬の声はなんだか慌ている。
「どうした?」
そう聞くと有馬は早口で話し始めた。
木下と一緒だった事、そしてカラオケに行ったその場所でいきなり木下が帰ると言いだし、いなくなってしまった事。そして連絡が取れないと……。
(どういう事だ?)
「亜紀ちゃんこの場所わからないと思うし、心配で……先輩連絡とって貰えせんか? もしかしたら道に迷ってるかもしれません」
何故木下はいきなり居なくなってしまったのか……その事は後から聞く事にして、まず木下に連絡とってからかけ直すと、有馬の電話を切った。
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