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「だけどな…
離婚する少し前に
俺は妻に内緒で…
パイプカットしたんだ」
「えっ?」
「子供が出来ないようにね。
だけどそれはすぐに
前の妻にバレてしまった。
それがきっかけで…
彼女は浮気するようになった」
そう言って自虐的に笑った孝之に
掛けてあげられる言葉なんて
見つからなかった。
黙ったままの私に
孝之は更に言葉を続ける。
「…離婚して5年。
ちょうど紗枝と一緒に
暮らし始めた頃にね…
前の妻が突然連絡して来たんだ。
会わせたい人がいるって。
もちろん俺は紗枝の存在を
彼女に話してそれを断ったよ。
だけど…
彼女が俺に会わせたいのは…
俺の子だって言われたんだ」
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