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全身から血液が
逆流して行くような
そんな感覚を感じた。
孝之に子供がいたなんて…。
「それが…亜希だった。
紗枝には本当に申し訳ないと
思ったけれどやっぱりさ…
本当に俺の娘なのか
どうしても確かめたくて…
5歳の亜希に会いに行ったんだ」
淡々と話す孝之に
私は何も言えないまま…
ただ驚愕の事実を
受け止めるしかない。
「会ってみて…すぐにわかった。
ああ、この子は俺の娘だなって。
自分でも笑ってしまうくらい
俺に良く似た瞳の女の子で
…初めて子供って生き物が
可愛いと思った」
そう言った孝之の瞳は
どこか悲しそうに見えて
また胸が痛くなる。
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