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そして、僕たちが交通事故にあったこと。
両親が亡くなった事…。
全てを聞いたんだ…。
(僕のせいだ…僕が動物園に行こうなんて言ったから…。)
幼いシンはただ自分を責めるしかなかった。
あの事故は、飲酒運転の車が正面からぶつかってきて。
シンたちは奇跡的に助かった。
でも、両親は…。即死状態だったと言う。
そして、シンたちは少しの間としてテレビや新聞なとで騒がれていた。
両親のいない寂しさ…。
最初の頃は、そのうち戻って来るんじゃないかと…何度も思っていた。
「…っ。」
シンは、お酒の入ったグラスをテーブルに置くと、タバコを吸いにベランダにでた。
(……………。)
タバコに火をつけて空を見上げる…。
涙が零れそうだった。
(はぁぁあ。)
部屋の中を覗くと、気持ちよさそうに寝ている相沢の姿…。
このままずっと、一生…。
自分が死ぬまでは、何も失いたくない。そう思う…。
(今頃…優は何をしてるんだろう…。)
優とは、長い間会っていない。
会っていないというか、会わないでと言われている。
優を引き取った家族たちから。
連絡先も住んでいる場所も、教えてくれなかった。
たった1人の家族なのに。
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