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なんとなく伝わってくる、相沢の緊張感。
「やべっ、気分悪ぃ~トイレ借りるな!!」
そう言うと、相沢は何も言わないままトイレへと消えて行った。
(………。)
ソファーに取り残されたシンは、相沢が戻ってくるまでに、心の準備をしていた。
きっと、相沢は亜紀の事を言ってくるだろう…と勘で分かっていたから。
だが…トイレから戻ってきた相沢は、
「あぁ~、スッキリしたぁ~。」
と、言って。
そのままテレビを見ていた。
「で、なんなんだ話って。」
シンが相沢に聞くと、
「大した事じゃないから、今度でいいや。」
という相沢に、シンは、
「そうか…。」
と言うしかなかった。
相沢がシンに言おうか言わないか悩んでいる事なんて…。
シンにはすぐにわかるのに…。
(相沢…。)
その後も、相沢は新垣の事や亜紀の話を出す事はなく、いつも以上にハイテンションだった。
「細川ぁ~。お腹すいた。」
と言ってくる相沢に、
「仕方ないな…。」
そういい、キッチンに立ってお茶漬けを作った。
二日酔いの相沢にはいいだろう…。
相沢にそれを渡すと、
「あぁ…うまい。」
と言いながらパクパク食べていた。
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