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時計を見ると、10時半過ぎていた。
けど、シンは亜紀の名前をディスプレイに表示すると、電話をかけていた。
〃プルルルル プルルルル〃
と鳴る呼び出し音、その音とともに、シンの気持ちも高鳴った。
〃カチっ〃
“もしもし…。”
電話に出た亜紀。
「あき??」
と、シンは亜紀の名前を呼ぶ。
“せんせぇ?”
と言ってくる亜紀の声に、愛しいという感情が溢れる。
「元気か?体壊してないか?足は治ったか?」
と、聞きたかった事を並べていく。
“元気ですよ。足も全然大丈夫です。先生は?”
元気ですよ。その言葉に安心する。
“元気だよ。”
亜紀の声をきくだけで…。シンは会いたいと言う気持ちが大きくなる。
少し沈黙があった。
「亜紀??」
“なんですか??”
「今日は、バイトだったのか?」
“はい。って、先生から電話くると思ってなかったから、嬉しいです。”
そう言う亜紀。
そんな言葉を言われて、
「そうかぁ、いつでも電話するよ。」
というシン。
もっと早く電話しとけば良かった。とふと思う。
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