*…愛しい…* #2

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時計を見ると、10時半過ぎていた。 けど、シンは亜紀の名前をディスプレイに表示すると、電話をかけていた。 〃プルルルル プルルルル〃 と鳴る呼び出し音、その音とともに、シンの気持ちも高鳴った。 〃カチっ〃 “もしもし…。” 電話に出た亜紀。 「あき??」 と、シンは亜紀の名前を呼ぶ。 “せんせぇ?” と言ってくる亜紀の声に、愛しいという感情が溢れる。 「元気か?体壊してないか?足は治ったか?」 と、聞きたかった事を並べていく。 “元気ですよ。足も全然大丈夫です。先生は?” 元気ですよ。その言葉に安心する。 “元気だよ。” 亜紀の声をきくだけで…。シンは会いたいと言う気持ちが大きくなる。 少し沈黙があった。 「亜紀??」 “なんですか??” 「今日は、バイトだったのか?」 “はい。って、先生から電話くると思ってなかったから、嬉しいです。” そう言う亜紀。 そんな言葉を言われて、 「そうかぁ、いつでも電話するよ。」 というシン。 もっと早く電話しとけば良かった。とふと思う。
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