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「では、病室に移しますので…。」
そう言うと、カーテンの向こうから、ベッドに乗せられた亜紀が運ばれてきた。
思わずシンは立ち上がり亜紀をみた。
目の前を通っていく…左の頬から口にかけてガーゼがはられている亜紀。
それに付いていく家族…。
すると、亜紀の父親に、
「君もついてきなさい。」
といきなり声を掛けられた…。
シンは、父親の言う通りに付いていく。
でも父親は、シンの事を知らないはず…。
シンはなんで付いて来いと言われたのか気になった。
家族に続いて亜紀の病室に向かった…。
(1年の時副担任だったからわかるのか?)
とシンは1人考えていた。
個室に移った亜紀は、黙って眠っていた。
病室の中は…少し沈黙があり…。
父親が、
「何があったんだ!?」
と母親に聞いていた。シンも関わりがあると父親は思ったらしく、シンにも視線を向けた。
すると、母親はそれに気付き。
「その人は関係ないの…。」
と言った。
「じゃあ、君はなんなんだ?」
その父親の言葉に、
「高校の先生です。」
とシンは答えた。すると、父親の顔が一瞬歪んだ。
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