*…愛しい…* #2

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久し振りに思い出した…家族の事…。 今まで心の奥底に鍵をかけて閉まっていたはずなのに…。 1人になる…何もかも失うかもしれない…。 そう思うと鍵はもろくも開いてしまう…。 “なんで、一緒に産まれたのに僕がお兄ちゃんなの?” シンは幼いながら母親に聞いていた。 “それはね、シンには優を守れる力があるからよ。” そう言うお母さんの言葉に、シンは納得してうなずいていた。 シンは…一卵性双生児…。 優(ゆう)という瓜二つの弟がいる。 違う所と言えば、泣き黒子くらいだ…。 そして、シンの思い出は一番思い出したくない…。 あの日までも…。 鮮明に写し出す…。 日曜日だった…。 “お父さん。学校おやすみでしょ??僕動物園行きたいよ!” そこには駄々をこねる幼い自分の姿。 “あら?今日は家でゆっくりする約束じゃないの?” と母親が隣りから口をはさんできた。 “やだやだ…僕お兄ちゃんだからいつも我慢してるんだもん。行く!絶対行くの!!” その言葉に父親は、 “そうだよな…シンはお兄ちゃんで、いつも我慢してるもんな!行くか!?優と準備してこい!”
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