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気がついたら…体のあちこちが痛くて…。
緑のカーテンに白い壁の部屋にいた…。
体を起こすと、白い服のお姉さんに、
“今はあまり動いちゃダメよ!”
と怒られた。
“お父さんは?お母さんは?ゆう?”
シンの口から出て来る言葉に、その女の人の顔がちょっと微妙に歪んだのが、子供のシンにもわかった。
“優くんはここよ。”
と女の人はカーテンを開けて見せて。
隣りのベッドには頭に包帯を巻いて寝ている優の姿があった。
“ねぇ…お父さんとお母さんは??”
そう聞いてもその女の人は何も答えず…。
“ちょっと待っててね、先生呼んでくるから…。”
そう言うと部屋を出て行った。
幼いシンには何がなんだか分からず。
「ゆう!ゆう!!」
とベッドの上から優を呼んでいた。
でも、優は起きなかった。
周りを見渡して自分が今病院にいるんだとわかった時。
なんだか嫌な感覚に襲われたのを今でも覚えている。
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