*…愛しくて…*

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出入り口を抜けると、 「「いらっしゃいませ。」」 の声…その声に安心した。亜紀の声が聞こえたからだ。 「あっ先輩!久し振りっすね!!」 と近寄ってくる有馬としばらく話しをしていると、裏から誰かがでてきた。 琢磨だった…。 琢磨が居る事に少し驚いたが、それと共に亜紀とはただのバイト仲間だと分かり安心した。 琢磨もシンに気付いて頭を下げる。 「琢磨は、ここでバイトしてたんだな!!」 と琢磨と少し話した後、シンはコーヒーを取りに向かった。 亜紀はちょうどジュースの補充をしていた。 ふと亜紀を見ると、亜紀はシンを見て微笑んでいた。 目が合う2人…。 シンはパッと目をそらした、何も話せない。 口を開いたら、2人で会いたいと言いそうだった。 どうしても抱き締めたい…触れたい衝動にかられ。 それで、何も話せないまま足はレジに向かって歩いていた。 コーヒーを買いコンビニを後にする。 (やば…絶対になんか変に思ったよな…。あぁ…) 家までの道…シンはそんな事を考えていた。 無視したい訳じゃなかった…でもそうなってしまった 。自分がしてしまった行動に後悔していた。でも、これから先…亜紀の顔を見るたび声を聞く度、触れたい抱き締めたいという気持ちに悩まされる。 今は2人で居てはいけない。関係を持ってはいけない。 それは…亜紀の父親と約束した事…。 それを守るにはそうするしかなかった。
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