*…愛しくて…*

16/28
前へ
/35ページ
次へ
(ごめん…) 亜紀を苦しめる事しか出来ない自分…。 亜紀が去っていった扉を、シンはしばらく見つめていた。 (亜紀…) 胸は苦しくて…。 亜紀を傷付けてしまった、自分の欲望を抑える為に冷たく当たってしまう…そんな自分が嫌だった。 「あぁあ!何やってんだ俺は!!」 と少し大きな声で叫んでいた。 (きっと…泣いてるだろうな…) とシンは空を見上げた。 (俺は…どうすればいい…。) しばらく屋上で、空を見上げていた。 すると携帯が鳴った 相手は亜紀だった…。シンは携帯を見つめる。 (ごめん…亜紀…、今お前の声を聞いたら…俺は…) 電話に出る事は出来ない。 静かになった携帯…でもすぐに電話は鳴り出す。 工藤からだった…。 工藤はトイレに行って、今亜紀が屋上にいない事をしらない。 亜紀が屋上に居ない事を伝えようと、シンは電話をとった。 「もしもし」 すると電話の向こうから、すぐに聞こえてきたのは。 “亜紀に代わりますから、話ししてください。” だった。 (もう、一緒にいるのか…) 「それは出来ない。」 とシンは答えた。 “なんでですか?” と勿論聞かれる理由。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加