*…愛しくて…*

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それからシンは職員室に戻り鞄を取ると家に帰った。 なんだか心に寂しさが溢れる…。 …。 ……。 静かな部屋…。シンの心を一層寂しくさせる…。 (亜紀に会いたい…) 今はかなわない願い…。 してはいけない行為…。 君に触れれない事がこんなに苦しい事だなんて…。 分らなかった。 いつも、君を見る事はできても、手を伸ばす事は許されない。 君の俺にだけ微笑む顔を…側で見る事ができない。 君の嬉しそうに話す電話越しの声を…今は聞くことが出来ない…。 声をきくだけで、君をみるだけで……。 愛しいという感情が胸を占める。 今すぐに触れたいと…体が動いてしまう…。 俺は君を…俺自身でいっぱいにしたくなる…。 (ぁぁああ、俺はお前が欲しい……。) シンはソファーに寝そべり暗い部屋の暗い天井をぼーっと眺めていた。 (なにも…したくない……) 何もやる気が起きず…黙っていた。その時、家のチャイムが鳴った。 〃ピンポーン ピンポーン〃
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