*…愛しくて…*

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なんだか出る気もなかった。 ……。 〃ピンポーン ピンポーン〃 「細川あけろぉ~。」 と相沢の声が聞こえて、思い出す。 (あっわすれてた…) 相沢が、家にくると言っていたのに、シンは亜紀の事ばかり考えてすっかり忘れていた。 ソファーから起き上がり…玄関の扉を開けた。 「遅いぞ!お土産だぞぉ~。」 と相沢は、焼き鳥片手に登場。 「あぁ…ありがとう。」 そういうと、シンの部屋を覗き込み、電気が付いていないのを見て。 「お前、電気もつけないで何してんだよ!まったくぅ~。」 と言いながら、部屋に上がって電気をつけた。 「寝てたんだよ。」 とシンは嘘をつく。 「はぁ?まじか?って事は…俺のご飯作ってないのか…」 となんだかガッカリしている。 「さっと今から作るよ!俺もお腹空いたし。」 そう言いシンはキッチンに入ると、相沢はソファーに座りテレビを付けて焼き鳥を食べ出した。 「ちゃんと、お前の分も残しといてやるからなぁぁ。」 とテレビに目を向けたまま、手を上にあげプラプラと振った。 シンは冷蔵庫にあるもので、さっと簡単にナポリタンを作った。
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