*…愛しくて…*

25/28
前へ
/35ページ
次へ
(お前は亜紀をあきらめてくれるか?) そう思った。でも先に、相沢から真実を聞く方が先だと考えた。 「俺の話しは、後でいいよ…。俺に話があったんだろ?その話しからしろよ。」 とシンが言うと相沢は、 「俺の話しね…。俺の方が後でいいよ!たいした事じゃないし。」 とシンをジッと見る。 シンも相沢をジッと見て、 「お前から言えよ。」 というと、 「やだね。」 と返ってきた。 すると、相沢は腕を組み。 「木下の事で悩んでんだろ?なにがあった?」 という。 (お前は…どんな気持ちで…俺にそういう事を聞いてるんだ??嫌じゃないのか?) 「まあ…。」 「ほら!言えよ。」 (ごめんな…相沢…。) シンは相沢のやさしさを知っている。 そして、どんな性格なのかも良く知っている。 (ごめん……。) シンは…相沢に話す事を決意した。 「あのな…。」 俺は卑怯なんだ…。 相沢があまりにも良い男だから…。 相沢に亜紀をとられてしまわないか、不安でたまらないんだ。 でも、俺の話を聞いたら、相沢はきっと…俺に亜紀を好きだと伝えてこない。 そんな相沢の優しさに、俺は付け込んだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加