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(お前は亜紀をあきらめてくれるか?)
そう思った。でも先に、相沢から真実を聞く方が先だと考えた。
「俺の話しは、後でいいよ…。俺に話があったんだろ?その話しからしろよ。」
とシンが言うと相沢は、
「俺の話しね…。俺の方が後でいいよ!たいした事じゃないし。」
とシンをジッと見る。
シンも相沢をジッと見て、
「お前から言えよ。」
というと、
「やだね。」
と返ってきた。
すると、相沢は腕を組み。
「木下の事で悩んでんだろ?なにがあった?」
という。
(お前は…どんな気持ちで…俺にそういう事を聞いてるんだ??嫌じゃないのか?)
「まあ…。」
「ほら!言えよ。」
(ごめんな…相沢…。)
シンは相沢のやさしさを知っている。
そして、どんな性格なのかも良く知っている。
(ごめん……。)
シンは…相沢に話す事を決意した。
「あのな…。」
俺は卑怯なんだ…。
相沢があまりにも良い男だから…。
相沢に亜紀をとられてしまわないか、不安でたまらないんだ。
でも、俺の話を聞いたら、相沢はきっと…俺に亜紀を好きだと伝えてこない。
そんな相沢の優しさに、俺は付け込んだ。
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