14人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
亜紀は落ち着くまで腕の中で泣いていた。
亜紀が落ち着くと、シンは体を心配してベッドに寝かせた。
「先生ぇ…。私…悠木のパパを犯罪者にしちゃった。」
とベッドに横になりながら、ポツリと言う亜紀。
とても、悲しい顔をしていた。
シンは優しく亜紀の手を握る…。
「仕方ない事だよ…。」
と…そして、ずっと側にいてあげた。
黙って頭を撫で亜紀が眠りに着くまで…。
そして、亜紀はしばらくしてスヤスヤと眠り始めた。
亜紀の顔…亜紀の髪…亜紀の目…亜紀の手…。
全てが愛しくて…。
(ごめんな…これからもう会う事はできないんだよ…。
亜紀…それでも、俺を好きで居てくれるか?)
返事は返ってくるわけないのに…シンは1人心の中で亜紀に話しかけていた。
(俺は、自分に甘かったんだよな…。一生懸命お前が俺を守ろうと必死なのに、会いたいと迫って。
ごめんな…。)
静かな病室…。シンは眠る亜紀を見つめていた。
(亜紀の父親に言われて…やっと覚悟ができたよ。)
「必ず迎えに行くから……亜紀…頑張れ。愛してる。」
そう言い、シンは亜紀のおでこに軽くキスを落とし、病室からでた。
最初のコメントを投稿しよう!