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「分かってます。」
「君を嫌いな訳じゃないが…。頼むな。」
「はい…。」
そう会話を交わし…父親は何かあった時の為にと、連絡先の交換を申し出てきた。
シンは、それを受け入れる。
そして、シンは。
「亜紀さんが卒業したら、交際を認めてください。その時は改めて挨拶に伺います。」
と頭を下げた。そんなシンを父親は笑顔で見ると。
「君の亜紀を想う気持ちはわかった。頑張りなさい。」
と言い肩を叩いた。
そんな父親に、
「失礼します。」
と言い病院を後にした。
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――――――――
あれからどれくらい経ったのか…。
シンは家に帰ってきてから、ソファーにポツリと座っていた。
亜紀の父親の言葉が、頭の中をクルクルまわっていた。
(俺…しっかりしなきゃな)
と思うが…シンの体を寂しさが包む…。
もう会う事…抱き締める事がしばらく出来ない…。
そう思うと、寂しくて仕方なかった。
シンにとって亜紀の存在は大きいんだと、改めて気付かされる。
なんだか喪失感が胸を襲った。
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