15人が本棚に入れています
本棚に追加
*…関係…* #2
そう…あの日…。今日だけ会いたいと言って海に行ったあの日、二人は父親に見られていた…。
亜紀の父親は沈黙を破った。
「お願いがあるんだ。亜紀の事が好きなら、今は近付かないでくれないか…。」
と…。
シンは自分達の関係を否定されると思っていた。
「君達を世間は認めてくれない。亜紀を苦しめるような事は避けたい。
だから…。今は、亜紀に近付かないでくれ。
2人でコソコソ会ったりしないでくれ。」
父親の言葉が…胸に突き刺さった。否定しない父親の一言一言が正しい事だから…。
「お願いだ…あの子に近付かないでくれ。亜紀の事を想うなら…せめて卒業するまで待ってくれ。」
と…。
シンは…迷った…。
今の亜紀を放っておくなんて…自分には出来ない…。
でも、自分が近付いたら亜紀が苦しむ。
(俺は…亜紀を手放したくない…。でも…亜紀の苦しむ姿も見たくない。)
「わかりました。」
シンはそう言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!