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そして、アナウンスが流れてシンは飛行機に搭乗した。
窓から見える滑走路……ここを飛び立つと全てがガラッと変わる事になる。
亜紀は何も知らないまま。
相沢に託した手紙を亜紀は、どんな顔で読むのか。
外を眺めながら考えていた。
相沢に頼んだ事は、はっきり自分でも残酷だと分かっていた。
でも、信頼できる親友。
相沢にしか頼む事が出来なかった。
(相沢……ごめんな)
相沢に取られたくないという、感情も入り交じっていたのかもしれない。
(こんな俺と、親友を続けていてくれてありがとう)
本当に感謝していた。
飛行機がゆっくり動きだす。
(なぁ……俺は、もう何も失いたくない……)
飛行機は離陸した。
(さよなら……亜紀)
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