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「それでな……俺、来年」
なんだか言葉に詰まってしまう。
(相沢は怒るだろうか……)
「来年な……俺、赴任することにしたんだよ」
そう言うと、相沢はいきなり大きな声で。
「はぁぁ?」
と驚いていた。
「何言ってんだお前、嘘だろ?」
と怒ると思っていた相沢は、怒りはせず、シンが言った事が信じられないようで。
なんども、嘘じゃないか確かめてきた。
そして、シンが本当の事を話しているのだと知ると、悲しい顔になり。
「なんで何も相談しなかったんだよ。いつ決ったんだよ」
と聞いてきた。
シンは亜紀の近くに居るのが辛いと言う事から話した。
触れられないのが辛いと……。
そして、学園祭の前日。
シンを追いかけてこなかった亜紀が、相沢と2人で話していた事を、教室の外で聞いていた事。
“信じているから……”
亜紀の想いを聞いて、亜紀の為にも離れていようと決めた事。
そしてその次の日に赴任をしたいと申し出た事を全部話した。
「お前……」
相沢は、なんだか複雑そうに顔をしかめた。
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