*…赴任…*

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「俺……達」 俺以外に誰の事をいっているのか、考えている途中。 体の血の気が引いた……。 (亜紀……) もしかしたら、亜紀の事じゃないかと。 校長は煙草に火をつけると。 「木下 亜紀さん」 そう言い煙草の煙をはきだした。 シンの心臓が大きく鼓動を打った。 (なんで……) 「貴方も教師という職業を失いたくないでしょ?」 という校長に、シンは何も答えられず黙っていた。 「まぁ、貴方が動揺するのは、わかるわ。 なんで、私が知っているのか不思議でしょ」 と言ってくる校長は眼鏡をくいっと上げると。 「木下 亜紀さんの父親、利樹(としき)さんとは、知り合いなの」 と校長は話した。 「最初は知らなかったわ、亜紀さんと貴方の関係。でも、利樹さんが貴方の事を聞いてくるから、なんで貴方の事をそんなに聞いてくるのか、不思議でね」 校長はコーヒーを一口飲むと、また話しをつづけた。 「なんで、貴方の事ばかり聞いてくるのか、問詰めたんだけど、最初は言わなかった」 そう言った。
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