19人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもね、問詰めて問詰めて、吐かせたのよ」
と言った後、また一口コーヒーを飲んだ。
「それで、利樹さんが協力してほしいって」
校長はシンの目をジッとみると。
「私は、貴方を辞めさせるつもりはないし、利樹さんとの約束を破りたくないから。
貴方には、早く沖縄に行って欲しいの」
校長の真剣なまなざしに、シンは首を縦に振ることしか出来なかった。
自分の事で、周りの人達が動いてくれている。
否定はせずに力になってくれようとしている。
こんなに、上手い具合に事が運んでいいものだろうか。
「木下さんには、卒業するまでは近付いちゃ駄目よ!
もし近付いて、関係を知られたりでもしたら、私も首になっちゃうからね」
そう言うと、いきなり校長の態度が一変し。
「で、どこを好きになったの?」
と目をキラキラさせながら聞いてきた。
「ちゃんと答えなさいよ! 応援してあげるんだからぁ~」
と、とても楽しそうだ。
シンは校長の態度の変わりぶりを、少しの間ポカンとみていた。
最初のコメントを投稿しよう!