*…突き放す…* #2

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「なんで? なんでそんなこというの?」 と言ってくる亜紀に、心の中で何度も謝った。 亜紀の瞳からは、涙が流れていた。 「私は先生から、メールもこないし…不安だよ…なんで? 先生と繋がってる…唯一の…メールな…のに…私、先生とこい…びとに戻りたい。 そばに…いたい…。 こんなんじゃ…わたし……せんせ…のこと。まてない…よ」 途切れ途切れに聞こえる亜紀の声。 涙をいっぱい流す君の事を。 (俺は抱き締めてやれない、ごめんな。亜紀……でもお前を信じてるから) 「待てないなら……嫌いになれ……」 そう言って、亜紀を突き放した。 まだ高校生の彼女には、辛い恋だって……わかっていた。 でも、そうする事しかできなかった。 (俺はお前と一緒になりたい……だから今は……) 亜紀はその場に泣き崩れた。 抱き締めてやりたい気持ちをこらえ、シンは静かに放送室を出た……。 (ごめんな亜紀……ごめん) 君を突き放す事しか出来ない俺を許してくれ……。 でも、俺は君を信じているから、誰よりも君が一番すきだから……。 だから……。 だから、今は。 一緒にいてはいけない……。 ごめんな……。 この日、校内に音楽は流れなかった……。
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