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「実は……赴任がはやまったんだよ」
シンの言葉に相沢は、
「は?いつだよ」
と聞いて来た。眉間にシワをよせながら。
「2月の終わり頃かな……」
相沢は、それを聞いて視線をコーヒーにうつした。
そして、スプーンでコーヒーを何度もかき混ぜていた。
「俺が話したかったのは、この事だ」
とシンは言ったあと、コーヒーを飲む。
(相沢、なんで何もいわない)
相沢は黙ったまま。
こっちを見ようともしなかった。
2人の間には何だか気まずい空気が流れ……しばらく沈黙が続いた。
店の奥で店員がお客さんと話している声だけが、聞こえていた。
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