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「また急だな……」
とポツリと話す相沢に、シンは。
「仕方ないんだ……」
とだけ伝えた。
それから、あまり会話はないまま帰る事になった。
「じゃあまたな」
「おう」
駐車場で別れて、それぞれの家に帰る。
相沢のあんな悲しそうな顔を見るのは、嫌だった。
――――――――
――――
それから、数日が過ぎた。
相沢に次の日あうと、いつもの様に接してきた。
シンもそんな相沢の行動に、普通に接していた。
「木下には言わないのか?」
と聞いてくる相沢に、
「黙っててほしい」
とシンは言う事しか出来なかった。
亜紀にもし止められたら、
(俺は亜紀からはなれられなくなる)
だから、黙って旅立つ事にした。
学校で亜紀の姿を探す自分。
楽しそうに友達と笑っている君……。
その笑顔が俺にも向く日はくるのだろうか……。
君を見ると、触れたくてたまらなかった。
話したくてたまらなかった。
メールがくるたびに、今なら戻れるんじゃないかって……甘い考えが頭をよぎったりした。
(亜紀……)
君の名前を……君の前で呼びたい。
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