19人が本棚に入れています
本棚に追加
――――――――
――――
そして、その日はやってきた。
「気をつけてな」
相沢に空港まで送ってもらった。
「お前、ちゃんとメールとか電話しろよ!」
という相沢に、シンは。
「わかったよ」
と言っていた。
朝1便で沖縄に発つ。
「相沢、お願いがあるんだけど……」
と、搭乗口に向かいながら、話していた。
「なんだよ」
という相沢に、シンは白い封筒を渡した。
亜紀への手紙……。
「これを、亜紀に渡して欲しいんだ」
と、すると相沢は、
「今時ラブレターかよ! 恋敵の俺が渡すと思うか?」
といってきた。
「別にお前が渡したくなかったら、そのまま捨ててくれたって構わないよ。
たいした手紙じゃないから。
でも、これはお前にしか頼めない。あと沖縄に着いたら亜紀に電話すると伝えておいてくれ」
とシンは相沢をみないまま言った。
(お前は……渡してくれるよな)
すると相沢は、
「あぁ気が向いたらな」
と、シャツの胸ポケットに手紙をいれた。
「頼むな」
と話しているうちに、搭乗口の前まできていた。
「じゃあ、沖縄でも元気でやれよ! 夏休みには帰ってこいよな」
と手を振る相沢に。
「お前も元気でやれよ。夏休み帰ってこれたら帰るよ」
と、2人は別れた。
最初のコメントを投稿しよう!