*…突き放す…* #2

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亜紀の父親からの電話が終わり、シンはベッドに横になりながら考えていた。 (亜紀は大丈夫か……きっと、こんな俺を嫌いになるよな……) 亜紀から貰ったチェーンを触りながら思っていた。 「はぁぁあ」 ため息しかでてこない。 今すぐ君を抱き締める事が出来たら……。 救われるのに……。 シンはやりきれない気持ちでいっぱいで、煙草を吸う回数が増えた。 夜空に向かって漂う煙は少しして消える。 自分のこのやりきれない気持ちも、夜空に消えてしまえばいいのに……。 そう思っていた。 冷たい夜風が、シンの気持ちを寂しくさせる。 (去年の冬は……俺達は普通に先生と生徒という関係で、まだ何もなかったのに) と、シンはクリスマスでの出来事を思い出していた。 まだ、想いを伝えあっていなかったあの頃。 隣りに座る君は、俺に寄り添ってきた。 (温かかったな……) 何もなかったあの頃の方が、想いを伝え合わなかった方が……。 (亜紀は幸せだったかもしれないな……そして俺も……) でも、あれ以降……亜紀と生徒以上の関係になりたいと思った。 (求めすぎた結果がこれか……) 手を伸ばせば伸ばす程、法律や世間の壁が邪魔をする。 分かっていた事だけど、現実は思った以上に、困難で……。
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