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あれから亜紀からは、毎日のようにメールがきた。
シンはその度に、自分と戦っていた。
亜紀が離れて行かない様にたまに返事は返していたが……。
学校で会う度、携帯が亜紀の名前を表示する度、シンはやりきれない気持ちだった。
もう少しで2学期も終わりというとき。
「細川ぁ~今年のクリスマスは寂しい者同士、一緒に過ごすか?」
と言ってくる相沢に、
「あぁ」
とだけ答えておいた。
「決まりだな」
という相沢を見て、赴任の話しを、そろそろしておかないといけないと思っていた。
(クリスマスか……)
去年、亜紀と過ごした事が、とても懐かしく感じる。
(今年も一緒に過ごしたかった……)
そう思うと、シンの心はなんだか寂しさを増した。
――そして、クリスマス。
2学期も終わり、もう冬休みに入っていた。
“じゃあ、夜酒持っていくからなぁ~”
という、相沢からの電話。
「わかったよ」
“じゃあ、後でな”
と電話を切った後、シンは料理の準備を始めた。
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