*…碇…* #2

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*…碇…* #2

「ここはどこだ……」  ポツリと出た言葉。何処か分からないこの場所……辺りを見渡しても、希望の光なんてない。 「また1人になるのか……」  何故そう声を発したのか、自然にでてきた言葉は静かに消えていく。するといきなり、 『先生? いけないんだぁ~』  その世界にこだまする、誰か分からない幼いだろう女の子の声……。どこから聞こえてくるのか分らない声を、全身で感じた。 『生徒に手ぇ~出したらいけないんだよぉ』  辺りを見渡しても誰もいない。自分以外なにも、誰も居ないんじゃないかと思うような世界。 『離れたからって、現状はなんにも変わってない。  貴方は結局、大切な人を苦しめてるんだから』  そう言い、クスクスと笑った。 「俺は……」  胸が苦しくなる。声に反応しているのか、この分らない場所が怖いのか……。 (俺は、やっぱり亜紀を苦しめているのか……ここはどこだ) 『先生、貴方は……本当にあの子が大切なの?』 「あぁ」 『そうなんだぁ、じゃあもう一回何が正しいのか考えて見たら?』  挑発するような声、そう言われて、シンは夢から覚めた。  カチカチとなる時計の針の音。  暗い部屋……額に滲む汗。 (なんなんだ……)  そう呟いたシンは、額の汗を拭った、頭の中では色んな事が交差していた。
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