*…碇…* #2

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(亜紀……)  亜紀の気持ちは、正直わからなくもなかった。  もし、自分が亜紀の立場だったら、落ち込んだと思うからだ。  亜紀がこうやって『無理矢理言わせてるみたい』というのも、自分が知らなかったという、悲しさからなのだろう。  こんなに想っているのに……何も知らないと。 「はぁ……」  思わずため息がでていた。ただ……その事に触れたくなかっただけなのに。  ちゃんと話しておくべきだったと、後悔した。 (俺もそろそろ……向き合わなきゃいけないのかな……)  今まで、心の奥に隠していた事と、ちゃんと向き合わなければいけない時期がきたのだろう。
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