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亜紀に電話をかけてみた。
なんと返事をしていいか分らなかったからだ。
だが、受話器には呼び出し音だけが響いて、君が出てくれる事はなかった。
「はぁ……」
(亜紀……)
いますぐに君の所へいけるのなら、すぐに行って話したい。
それが出来ればいいのに……。
それから、時間が過ぎるのが遅かった。授業もなんだか長く感じて、早く昼休みがこないかと、シンは時計ばかりをみていた。
ゆっくり、話せる時間が欲しかったんだ……。
夜かければ良い事なのかもしれない、だけど、今亜紀がどんな気持ちでいるのかと考えると……早く話したかった。
――そして、昼休み。
シンは屋上にきていた。携帯に亜紀の名前を表示して、亜紀が出てくれるようにと願いながら、発信ボタンを押した。
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