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どうして彼女は、生徒なんだろうか……。 どうして俺たちは、出会ったのだろうか……そんな事を考えていると、シンはいつの間にか眠りに落ちていた。
――目が覚めるといつもと変わらない朝……。
昨日みた夢の事を思い出しながら、シンは仕事に行く支度をしていた。
早めに家を出る。少し気分転換にドライブをすることにした。
沖縄の空は青く澄んでいて、それにまけないくらいに、海も綺麗な青色だった。
カバンにしまった携帯が、この時なっていた事に、シンは全然気がつかない。
遠くの景色を見ながら、シンはアクセルを踏んだ。
学校に着くと、早い時間だからか、まだあまり人はきていない。
自分の席について、カバンから携帯を取り出すと、着信を知らせるランプが光っていた。
(電話か?)
見てみると、メール受信の文字。シンはすぐに開いた。
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件名:
本文:先生おはよう。今日も頑張るね! 夜、先生の声聞きたいから電話するね。
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相手は亜紀だ。
メールを見た瞬間、嬉しさが込み上げたが、それはすぐに複雑な気持ちへと変化した。昨日の夢が原因だ。
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件名:おはよう。
本文:俺も声が聞きたい。
夜楽しみにしてるな。
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いつも通りを演じる。ずっと亜紀と離れたくないから……手放したくないから。
結局俺は……自分の幸せが欲しい。
気持ちを誤魔化すように、メールを送信する。
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