*…碇…* #2

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――授業中。  何度も時計を気にしてしまう。 (もう亜紀は優に会ったのかな……)  生徒にプリントをさせながら、ふとそんな事を考えてしまう自分がいた。 (あぁ……授業に集中しなないと)  そう考えながら、ふと視線を生徒たちに移すと、真奈美と目があった。  顔をあげているのは真奈美だけだ。 『おわったのか?』  とクチパクで聞くと、 『終わった!』  とピースを見せてきた。眼鏡姿の真奈美は、学校以外で見る時とは全然雰囲気が違う。  真奈美は頭が良く、クラスでトップの成績で優等生だ。  クラスの皆も真奈美を慕っているし、彼女は学校ではおとなしくしているため、責任感が強く物静かだと思われているらしい。 『みんなが終わるまでまってろ』  と真奈美に返すと、コクリと頷いて窓の外を見ていた。桜井と絡んでいる時とは、本当に別人だ。 (亜紀もよく、あぁやって外見てたなぁ……)  また亜紀の事が頭を過ぎってしまう。 (あぁ……だめだ俺……)  そして、プリントを回収して教科書を進めて、授業は終了した。 「では、授業を終わります」  そう言って、鐘がなると同時に、シンは教室を出た。
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