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そして、すぐ亜紀に電話をかけようと携帯を握ったが。なんと、話したらいいのか、良くわからなかった。
そんな時、携帯がなった、相手は相沢で。
「もしもし」
電話に出ると、相沢は優の携帯番号を教えてくれた。
「サンキューな」
電話を切ると、亜紀に連絡を入れる前に優に電話をかけた。
「もしもし……」
電話の向こうは、シンが知っている優の声ではなかった。
「もしもし、シンだけど……」
久し振りに会話をする兄弟。
「あぁ……」
素っ気無い返事に、シンはなんだか申し訳ない気持ちになった。ずっと連絡を取らなかった事、取れなかった事。
優が養子に行ってから、シンは連絡先を教えて貰えず。もう会わないで欲しいと言われていた。
でも、実の兄弟にはやっぱり会いたくて、話したかった。
「元気か?」
「まぁ」
「まさか、優も英語の先生だったとはな」
すると優は、
「悪いか? たまたまだろ!」
とまたそっけなく返してくる。
「そうだな……」
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