*…優…*

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「……」  何も言えなかった……。 「おい、シン?」 「あ、あぁ」 「驚いているわけ?」 「まぁ」  すると優は、シンを探していたことを話してきた。 「俺がこの学校に来たの……シンに会うためだった。 なのにお前は赴任していないし、あの電話の時は、かなりムカついてた」  久し振りに電話で声をきいたとき、優は怒っていた。 (俺に会うため……)  この心に溢れてくる温かいものは、なんだか懐かしい……。  嬉しかった、優がそう思ってくれていた事。  嬉しさが溢れすぎて、口を突いてでてくる物がない。  本当は伝えたい。 『嬉しい』と言う事も『ありがとう』という事も、溢れすぎて言葉にならなかった。  亜紀といる時とは違った、この温かさ。 (俺が求めていたものって……)
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