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もともと、2人の結婚は反対されていて、息子がいなくなった時点で、無理矢理離婚させられる事は、目にみえていたらしく。
それを望まない、旦那さんは、阻止するために、息子の死をなかった事にしたらしい……。
「そんな……」
思わずこぼれてしまう言葉に、黒木さんは話し続けた。
「私達のした事は、間違っているのかもしれない。でも……私はあの人と一緒にいたいし、優の事を本当の子供のように思ってる」
この人の考えを全て受け入れる事なんて、出来るわけがない。
でも、その考えを根から否定する事も出来なかった。
人それぞれの人生……考え方も違えば生き方も違う。
何が正しいのかなんて、言い切れない。
黒木さん夫婦の愛の形がこうであっただけで、そうするしかなかった……。
でも、シンには、優を良い様に使われた、そう思わずにはいられなかった。
本当の子供のように思っている。
それなら何故……優は出て行ってしまったのだろうか……。
「この事は、墓場まで持っていくと、あの人と約束をした。もう元には戻れない。
私は……もう一度優と暮らしたいの、真実がどうであれ、自分の為に」
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