*…優…*

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 あれから、公務を終えて家に帰ってきた。  7時頃、相沢から電話がきて、亜紀と一緒だと聞いた。 (またか……)  そう思ったが、今度は事情が違う、亜紀が罰で居残りをさせらていて、もう暗いから家まで送っていいかと言う電話だった。  亜紀が申し出を断ったから、相沢はシンに何か言われたんだと分り、電話してきたのだ。  昨日、相沢と2人にならないで欲しいと言ったのをちゃんと守っていた。  シンは亜紀に電話をかわらせると、心配だから今回は送って貰うよういい、帰ったらメールをしてと電話を切った。  その後、なんだか1人で部屋にいるのに孤独を感じたシンは、電話をかけていた。 「あっ桜井、今日やっぱり付き合う」  と。 ――あれから、 「俺さぁ~可愛いお姉ちゃんたちと飲みたかったんだけど」  いつものように、真奈美の家の居酒屋の前にいた。 「飲み屋にいくより、俺は静かに飲みたいんだよ」 「まぁいいけど」  居酒屋の中に入ると、いつもはカウンターに座るが、今日はもうすでにお客さんがいたため、座敷に座った。 「カウンターがよかったなぁ~」  桜井は不満顔だ。 「仕方ないだろ……でも、今日は座敷でよかった」  シンの意味深な発言に、桜井は黙って、シンの顔の微妙な変化を見抜こうとしていた。  それから、お酒とツマミを頼み、2人で乾杯。
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