*…幸せ…* #2

1/35
前へ
/35ページ
次へ

*…幸せ…* #2

 どうしてこんなに苦しくなるんだろうか……。  ただ、好きになった人が生徒だっただけなのに。 「はぁぁあ」  思わずこぼれるため息、ベランダでタバコを吸う……最近タバコの本数が増えたのかもしれない。  シンはこれからの事を考えていた、亜紀に会いたいと思う弱い自分をどう押さえようかと……。  が、結局良い答えは見つからないまま……。  シンは携帯を取り出して、優の名前を表示した。今はかける事の出来ない番号。  そして、その番号からもかかってこない……。 「優は……今何してるんだ?」  優が黒木家に戻ったのかも分らないまま……ただ時間だけが過ぎていった。  そして、2週間という時間が過ぎた。  今日は、亜紀たちの学校から誰が視察にくるのかが決まる日らしく、相沢が「亜紀になるといいな」と電話をしてきていた。  シンはというと、亜紀じゃないようにと願うばかり……。  本当は会いたいが……今はダメなんだ。  亜紀からの連絡を待っている間、授業はなんとかこなしていたが休み時間の度にぼーっとしていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加