*…約束…* #2

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 本当は、君と幸せになりたい。そう望むのは贅沢すぎるんだよな。  亜紀はしばらく黙っていたが、 「私も先生なんて……だい……嫌い」  そう言いシンの背中に腕を回した。  シンの気持ちはちゃんと亜紀に伝わったのだろうか……。。  小さく震える君の体……大嫌いなんて言葉を言わせたのに。  胸は苦しくならずに、逆に安心感が包んだ。 (亜紀ごめんな……)  亜紀はシンから離れると、笑顔を見せた。  そして、首から指輪のさがったネックレスをとった。 「先生……先生もくるしかったでしょ? 嘘でも私を迎えにくるって言ってくれてありがとう」  涙のたまった瞳は、何かを決意した瞳だった。 「これ、返しますね」  手にそっと乗った指輪とネックレス。  まだ温かいその二つは、君の温もりを残して寂しく泣いているようだ。  君は今どんな思いで、見つめているのか。  愛しい人よ泣かないで。これからは笑って歩いて欲しい。  たとえ他の人と一緒になったとしても、君が幸せなら、それでいいんだから。  手放したくない気持ちは、心の奥にしまって。  禁断の恋という呪縛から開放してあげる。
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