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――「俺は何やってんだ……」
あれから、亜紀を送り家路についていた。自分がした事に、後悔しながら車を走らせる。
亜紀に忘れてほしいと言った事、そして嫌いだと言った事。
あの時、最善だと思った行為が、後悔をうんでいる。
一人取り残されたようだ……この思いをどうやって消そう。
頭に浮かぶのは君の顔、考えてしまうのは君の事。君が幸せになってくれるなら……そう思っても、自分の幸せは君なしじゃ、ないという事。
分かっている。
自分には君が必要な事くらい……でも、君を苦しめ続ける事は辛くて、それが幸せだとは思わない。
何もなくなればいい……君が生徒じゃなくなり、自分が教師じゃなくなれば、全てがきっとうまくいく。
「ふふっ」
自分の考えた事に笑いがでた。そんな都合のいい事なんてあるわけなく、考えただけで、絶対に実行出来ないこと。
教師じゃなくなるなんて……考えられない。
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