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――ピンポーン。
いきなり鳴ったインターフォン。来客を知らせるその音に、シンはソファから腰をあげた。
画面に写っているのは眼鏡をかけていない真奈美の顔。
(なんで?)
「はい」
「あっ細川先生ぇ、ちょっと話したい事があるんだけど、開けて」
そう言ってくる、シンは少し迷った。今は一人でいたい気分だったからだ。出なければ良かったと後悔しながら、仕方なくあげる事にした。
「入っておいで、部屋は分かるだろ?」
「うん」
マンション入口の自動ドアを開けてあげた。
桜井と真奈美は仲がいい、真奈美には教えていない部屋番号を知っているという事は、桜井が住んで居る時に何度か来た事があるのだろう。
なんで知っているのかと最初は驚いたが、考えてみれば、それほど驚くような事でもなかった。
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