12人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんにちは先生。なにしてたの？」
「別に何も、コーヒーしかないけどいいか？」
「砂糖とミルク多めでお願いします」
真奈美は部屋に入ってくるなり、ソファにドカッと座った。
「なんか……細川先生の匂いでいっぱいだね」
「そりゃあ、俺の部屋だからな」
二つのカップからは湯気が上がっている、シンはひとつを真奈美に渡すと、真奈美の斜め前のソファに腰をおろしコーヒーをすすった。
「細川先生のコーヒー美味しい」
真奈美も満足そうに、目を細めながらコーヒーを啜っていた。
「で、俺に話しがあるんじゃなかったっけ？」
コトンと、シンのカップはテーブルに置かれた。
「あぁそうだった。
細川先生さ、ここ数日サクと出掛けたりしてる？」
何故そんな事を聞くのかと思いながらも、シンは首を横に振った。
「サクの様子おかしくない？」
「いや……今朝会ったが、特に……」
自分の事でいっぱいだったし良く覚えていない。
「そうなんだぁ……」
「なんでそんな事聞くんだ？ そういえば、この間も同じ事聞いてたな、桜井どうかしたのか？」
自分の事でいっぱいで、忘れていた。真奈美の顔を見ても思い出さなかったのが、不思議なくらい、自分はいっぱいいっぱいだったと知る。
「うん……その事で」
それからシンは真奈美から、桜井の話しを聞いた。
最初のコメントを投稿しよう！