*…約束…* #2

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「あっ亜紀!」  ドクンと心臓が大きく打った。 「家の中に居なかったから……」  という亜紀は、扉を開ききって出てきた。 「あぁ……そうか、じゃあ部屋に戻るか」  電話の後という事もあり、今は流石にマズいと早く部屋に戻ろうと急く。 「先生……誰と電話してたんですか?」  また心臓が大きく跳ねた。 (まさか……聞いてた訳じゃないよな?) 「あぁ……ちょっと友達とな」 「なんだったんですか?」 「あぁちょっと、休みの日に遊ぶ約束をしてるから、それの打ち合わせ」  確実に亜紀が探ってきているのは、明確だった。  シンはただ聞かれていない事を願う。 「うそ……」  亜紀のその言葉を聞いた瞬間、願いは届かなかったと確信した。 ジッと見つめてくる亜紀の瞳から、目が放せない。静かな時……。 「私の話ししてたじゃないですか!」  やっぱり聞いていたのである。
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