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「あっ亜紀!」
ドクンと心臓が大きく打った。
「家の中に居なかったから……」
という亜紀は、扉を開ききって出てきた。
「あぁ……そうか、じゃあ部屋に戻るか」
電話の後という事もあり、今は流石にマズいと早く部屋に戻ろうと急く。
「先生……誰と電話してたんですか?」
また心臓が大きく跳ねた。
(まさか……聞いてた訳じゃないよな?)
「あぁ……ちょっと友達とな」
「なんだったんですか?」
「あぁちょっと、休みの日に遊ぶ約束をしてるから、それの打ち合わせ」
確実に亜紀が探ってきているのは、明確だった。
シンはただ聞かれていない事を願う。
「うそ……」
亜紀のその言葉を聞いた瞬間、願いは届かなかったと確信した。 ジッと見つめてくる亜紀の瞳から、目が放せない。静かな時……。
「私の話ししてたじゃないですか!」
やっぱり聞いていたのである。
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