*…約束…* #2

4/20
前へ
/35ページ
次へ
「聞いたのか!?」 「聞きました」  この事は知らない方が良い。 「気にするな……いつか誰だったか話すから」  そう言って逃れるつもりだった。が、 「なんで?」  と不服そうに言ってきた。 「お願いだから、聞かなかった事にしてくれよ……。 なっ?」  それが亜紀のため……知っても良い事なんかない。 「無理です」  案外亜紀はしぶとかった。今まで隠してきた事、その約束を亜紀に言ったらどうなるだろうか……。  亜紀を騙す事なんて、出来ない事は分かっていた。  きっと彼女は凄く疑っているだろう……聞くまではここを動かないというような態度だった。 「わかった……少し待っていてくれ」  シンはそう亜紀にいうと、少し離れた所でリダイアルをした。  すぐに取った父親に、まずは謝った。そして、亜紀に電話の内容を聞かれていた事を話した。 「亜紀と二人でいたのか?」 「いいえ。他の生徒も一緒ですが、私が電話をしに外に出たから、亜紀さんはついてきたみたいで……」  思わずついた嘘。父親は「そうか」というと、自分から亜紀に話しをすると言った。  これから先、亜紀も知っていたほうが、大事にはならないだろうという、父親からの言葉にシンは頷いた。  そして亜紀のところへ行き、「話して……」  電話を渡した。  君はどう思うだろうか……。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加