12人が本棚に入れています
本棚に追加
「この事を隠していたのは、俺の意志だけじゃ離れている事が出来なかったから。
カッコ悪いだろ?
亜紀の前では、かっこいい男でいたかった。
俺の強い意志だって、見せたかった。だれの力も借りずに俺だけの意志だと思って居て欲しかった。
それと、あと1つ、亜紀がこの事を聞いて、父親が余計な事をした……なんて思って欲しくなかった」
言いたい事を繋げて一気に吐き出した。
「ごめんな……」
亜紀は首を横に振った。
きっと亜紀も心の中で戦っているだろう。自分の気持ちと、周りの人の気持ちと。
「亜紀の為だって、亜紀の父親の存在を借りてしか、俺は離れる事が出来なかった。黙ってて悪かった。
ごめんな。
亜紀の父さんは、亜紀の事、とても大切に思ってる。黙ってた事……許してやってくれよ」
どうか丸く収まりますように。
最初のコメントを投稿しよう!