*…偽り…* #2

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 いきなりスイッチがオフになったかのように、桜井の顔は悲しげで。ただ遠く彼方を見ている。  憂いに満ちた表情に、シンは何も言えずに立ち上がると、少し離れてタバコに火をつけた。 「俺にもくれる?」  という桜井は無理矢理笑っていた。 ―――― ―― 「っ……いった」  あれから家に帰り、狂うように飲んだ桜井は、そのまま朝も起きず昼をすぎ、夕方近くに目を覚まし、頭を抱えてベッドから起き上がった。  それをソファでは、シンがコーヒーを飲みながら清々しい顔で見ている。 「おはよう。ってもう夕方だけど」 「あぁ……細川おはよ。っつーか、頭いてぇ」  桜井は顔をしかめている。 「飲み過ぎなんだよ」 「あぁ……痛い。一日中寝ていたかったのに……なんで目覚めるかな……」  そんな事をブツブツと呟きながら、桜井は顔を洗うといい洗面所へと消えた。
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