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いきなりスイッチがオフになったかのように、桜井の顔は悲しげで。ただ遠く彼方を見ている。
憂いに満ちた表情に、シンは何も言えずに立ち上がると、少し離れてタバコに火をつけた。
「俺にもくれる?」
という桜井は無理矢理笑っていた。
――――
――
「っ……いった」
あれから家に帰り、狂うように飲んだ桜井は、そのまま朝も起きず昼をすぎ、夕方近くに目を覚まし、頭を抱えてベッドから起き上がった。
それをソファでは、シンがコーヒーを飲みながら清々しい顔で見ている。
「おはよう。ってもう夕方だけど」
「あぁ……細川おはよ。っつーか、頭いてぇ」
桜井は顔をしかめている。
「飲み過ぎなんだよ」
「あぁ……痛い。一日中寝ていたかったのに……なんで目覚めるかな……」
そんな事をブツブツと呟きながら、桜井は顔を洗うといい洗面所へと消えた。
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