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「心配無用って、なんだかオジサンみたい」
そう笑う真奈美に「おじさんだよ」とシンも思わず笑ってしまった。
真奈美からしたら、もう28はオジサンだろう。
どうして真奈美がこうなついているのか、たまに不思議になる。桜井といつも一緒にいるからなのか、まったく警戒心をもっていない。
「俺と話しても何も面白い事ないよ。友達と遊んでこい」
「えぇ~別に面白い事なんて望んでないし、ちょっと皆といると疲れるもん」
そう真奈美はメガネを外した。本当に、真奈美は友達の前での顔と、桜井やシンの前での顔が違う。
学校ではおしとやかで優等生。誰も真奈美が暴言を吐くなんて思わないだろう。
まるで二人の自分を使い分けているみたいだった。
「だるいんだよねぇ~」
たまにため口になったりするし。
「だるくない? 次の授業さぼろうかな……」
あり得ない言葉を言う。
「次、俺の授業だからサボったら居残りさせるぞ」
「えっ! 嘘に決まってるでしょ」
そんな話しをしているうちに、時間は過ぎていく。時計を確認して、真奈美にサボらないように言った後、先に屋上をでた。
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