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というか、なんで声をかけたんだ?
(まぁいいか……)
シンは煙草を消すと、車に乗りクーラーをかけた。
(生き返る……)
そして家へと向かった。
――「あっ? なんでだよ」
帰宅後、シャワーを浴びて寛いでいたシンにかかってきた電話。
「僕ちんも寂しいんだよぉ~、だから。なっ?」
相手は相沢だ。夏休み中に帰ってこいという電話だった。理由はただ自分が寂しいから。
「シンちゃんも俺が居なくて寂しいでしょ?」
「べつに」
「つめたぁ~」
こうやって相沢から毎日のように電話がかかってくると心配してしまう。
コイツは本当に友達がいないんじゃないかと。
「こいよぉ~、木下にも会いたいだろ? 遠くからでもいいから見たいだろ。変わってるぞぉ~」
なんなんだコイツは……。シンは何も答えなかった。
名前を聞くだけで、胸が苦しくなる。それを知ってかしらずか相沢はついてくる。
いや、確実に相沢は確信犯だ。
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